ピアノの紡ぐ夢

 救助依頼もなく、おだやかな時間の続いていたトレーシーアイランド。 国際救助隊の面々はその短い休暇をおのおのの時間に充て、日々の疲れをとっていた。

 ある者はテニスに興じ、ある者はプールに飛び込み、 またある者はいつものように研究所にこもり、 そしてある者は…




 心地よいメロディーが、誰も居ないラウンジに響いていた。 いつもは人が集うその部屋の片隅に置かれた真っ白なピアノを、一人の青年―バージルが弾いていたのだ。 その指が、ときに優雅に、ときに激しく鍵盤の上を舞い、聴いた誰もを魅了する音色を生み出していた。 しばらく目をつぶり、己の世界を満喫していたバージル。 彼の創り出す音と、人気のない静かなラウンジの空気が、不思議な融合をして独特な響きを作る。 おそらくそれは、彼の人柄そのもので。 かつて、著名なピアニストに「私の元でピアノを弾いてみないか?」と誘われたこともあるくらいだ。 「プロ級」などという安い言葉で片付けられない、そんな音色だった。

 彼はなぜプロにならなかったのだろうか。
 なれなかったのだろうか、それとも他に、すべきことがあったのか…



 やがてその魅力にいざなわれ、茶髪の少年―ゴードンがラウンジに入ってきた。

 バージルのピアノが止んでしまうのが嫌だったから、ゴードンはできるだけ音を立てないように、そーっとラウンジに紛れ込んだ。 しかし、バージルが依然として目を閉じたままピアノに夢中になっているのを見て、さっきの心中なんかどこへやら。 ゴードンはいたずらっぽい笑顔を浮かべ、驚かせてやろうとそーっとバージルの背後へ歩み寄った。 そして、わっ、っとばかりに右手をバージルの肩に置こうとしたとき。
「ゴードン?」
 目をつぶったままのはずのバージルが、手を動かしたままそう言ったのだ。
「ば、バージル!?気がついてたの??」
 バージルを驚かせるつもりが驚いたのはゴードンの方で。バージルの肩に置くはずだった手を、自らの胸元に戻して目を白黒させた。
「わかるさ」
 バージルは静かにピアノを弾きながら微笑んだ。

「どうしたんだ?アランたちと泳いでいたんじゃなかったのか?」
 ジェフとスコットがテニスに行き、ブレインズはいつものように研究をしていたから、 残りの3人はプールで泳いでいた。 まだ泳ぎ始めて1時間もたっていないというのに、大好きな水泳を切り上げてラウンジにやってきたゴードンに、 バージルは疑問を投げかけた。
「何かあったのか?」
「うん…」
ゴードンはまだ濡れている髪を乱暴に拭きながら言った。
「だってさ、アランとミンミンったら、僕がいること忘れて二人で盛り上がってるんだよ。 あんなところに長くいられたもんじゃないよ」
「あははは。そりゃ災難だったな。で、ここに非難してきたってわけか」
「そう!パパとスコットはどうせテニスしながらでも仕事の話してるんだろうし、 ブレインズが研究してるところ邪魔しちゃ悪いしね…」
「お、じゃぁ僕がピアノ弾いてるところにきても邪魔にならないと思ったわけだ?」
 笑顔のまま、皮肉たっぷりに言うバージル。
「違う違う、誤解だってば!」
左右に振れる限り大きくぶんぶんと顔を振ったゴードン。
「…邪魔だったかな?」
 そう言った言葉には多少の反省も含まれていたのだろうか。 そのゴードンの仕草一つ一つが面白く、バージルは含み笑いが本格的な笑いに変わる前にからかうのも早々に打ち切った。
「かまわないよ。誰かに聴いてもらってたほうが張り合いがあるしね」
「ありがとう。その言葉を聞いてほっとしたよ」
 ふーっと一息ため息をつくと、ゴードンは傍のソファに腰掛けた。
 それを見て、バージルは嬉しそうな表情でゴードンに尋ねた。
「せっかくだから、何か弾こうか?」
「うん、そーだなぁ…」
バージルの申し出に、ゴードンもまた嬉しそうに応えるのだ。
「"夢"がいいな、ドビュッシーの」


 ラウンジの外には、波の声と、人のはしゃぐ音が響いていた。





****





 バージルがピアノを弾き始めたのはいつのことだったろう。 そんなことはとうに記憶の隅に追いやられてしまったが、 僕が昔、まだ幼かったころバージルによくピアノを弾いてもらったことは鮮明に覚えている。 うん、たしかはじめてバージルのピアノをきちんと聴いたのは僕が6つの、あの日だった…。

「バージル、ピアノ弾いて?」
 あの日、僕は(自分で言うのもなんだけど)珍しく落ち込んでいて(理由は忘れたけど!)。 バージルのピアノなんかろくすっぽ聴いたこともないくせに、 使用人のおばちゃんが夕飯の肩付けをするのを手伝っていたバージルの服のすそを引っ張って、 僕はピアノを弾いてくれって頼んだんだ。
「え?」
 バージルもびっくりしただろうな。 だってバージルが毎日ピアノの練習をしていた、そのすそを引っ張って 「そんな事してないで遊んでよ」と騒いでいた僕が、いきなりピアノを弾くよう言ったんだから。 そんな僕からの頼みでも、
「じゃぁ、これ片付けてからな」
驚いた様相を見せながら、バージルは優しくそう言って微笑んでくれた。

 僕自身、なぜピアノが聴きたくなったのかわからない。 もともと騒いだりはしゃいだりするのが好きだったから、ああいった音楽をじっと座って聴いているなんて、 僕には耐えられない話だった。 それなのに、あの時はピアノがよかったんだ。 この不思議な気持ちを、どう表現したらいいのかわからない。

「じゃ、弾くよ」
 そう言って動き始めたバージルの手の動きはまだぎこちなく、目も今のように余裕はなく、楽譜をにらみつけていた。 それでも、その音にはバージルの優しさがちゃんと表れていて。 僕はピアノの隣のソファの上でバージルの音楽に包まれていた。 それまで暗い気分だった僕の心も、徐々にほぐれていき、そして……
気がついたら朝で、僕は自分のベッドの上に居た。

 あの時の僕は、ピアノを弾いてもらったのが夢だったと思っていた。 だって、ピアノがあんなに素敵なものだなんて思っても居なかったから。 あの夜の出来事は夢なんだ、だからピアノの音であんなに落ち着けたんだと勝手に解釈していた。 そんな夢ならまた見たいな、と都合のいいことも考えたものだ。

 しかし、それは夢ではなかったことに、一週間経ってようやく気がついた。 なぜなら、僕がその"夢"をみた後、バージルはピアノを弾かなくなってしまったのだから。 僕はあの晩、バージルのピアノを聴きながら居眠りしてしまったのだ。 僕が頼んで無理やり弾いてもらったというのに…。 きっとバージルはそのことがショックでピアノを弾かなくなったに違いない。 僕のせいだ、僕のせいだ! 僕がバージルのピアノを聴きたいなんて言ったばっかりに! そう気がついた晩、僕はバージルの部屋のドアをノックしていた。

「ごめんなさい、ごめんなさい!」
 部屋に上がりこむなり、僕はそう大声で泣き始めた。 僕のせいでピアノを弾かなくなってしまったと本気で思っていたから。
「ゴードン…」
 泣いてばかりいる僕を、バージルは困ったような顔で見つめ、僕の視線の高さまでしゃがみこんだ。 そして、やっぱりやさしい声で、こう言った。
「ゴードン、どうしてそんなに謝っているんだ?」
「だって…、ヒクッ……僕が寝ちゃったからでしょ?だからピアノを弾かなくなったんでしょ!?」
「え?あ、ピアノ?…あははははっ!」
「?バージル?」
 それまで困った顔を浮かべていたバージルの顔に、突然笑みが宿った。
「そうか、なんだ、そんなことを謝ってたのか!」
「そ、そんな事って!」
「ゴードンが気にするようなことじゃないよ」
 バージルはそう言って微笑んだが、もちろん僕は納得できなかった。
「何で!?僕はバージルのピアノが好きなのに!」
 そのときの僕の顔は、いつになく真剣だったと思う。 本当にバージルのピアノが聴けないと思ったから。
「ありがとう、ゴードン…。心配させてごめん。ピアノを弾かないのはゴードンのせいじゃないんだよ」
「……え?」
 僕はそれまで見ることのできなかったバージルの顔を、はじめて見上げた。
「コレだよ、コレ」
 そう言ってめくって見せたバージルの右腕の手首に、白い包帯が見えた。
「怪我、してるの??」
「うん。実はね、ちょうど一週間前にバスケやっててくじいちゃってさ」
「な…なんだぁ」
 それまで緊張していた足の力が抜け、僕はすとんと床にしゃがみこんだ。
「ごめんね、ゴードン。別に、この間ゴードンが寝ちゃったことを怒ってるわけでも、悲しんでるわけでもないから、安心して」
「そうだったの…。よかったぁ」
 ようやく僕の顔にも笑顔が宿った。
「……!それでも! 僕がバージルにピアノ弾いてって頼んだのに、勝手に眠っちゃったんだ。それは…ごめんなさい。せっかく弾いてくれたのに」
「気にしないで」
「でも!」
 なおも謝ろうとする僕に、バージルは優しく教えてくれた。
「あの曲はね。"夢"って曲なんだ。あの日ゴードン元気なかったろ? だから、いい夢見て眠れますように、って僕なりに考えて選曲したんだけど。…いい夢見れた?」
「うん。夢のなかでも僕、ピアノ聴いてたよ。とっても温かくていい夢だったよ」
「良かった。僕も弾いたかいがあったよ」
「また弾いてくれる?」
「もちろん!」

 そう言ったバージルの顔は輝いていて。僕はその後、度々バージルのピアノにお世話になった。 どんなに眠れない夜も、バージルのピアノに包まれるとぐっすりと休むことができたのだ。





*****





「"夢"?」
「そう、いつも弾いてくれたろ?」
「OK!」
 バージルはそういうと、鍵盤をやさしく弾いて、あの懐かしいフレーズを紡いだ。
「懐かしいな…」
 バージルとゴードンしか居ないラウンジは、あっという間にその響きに包まれた。 ゴードンは静かに目を閉じると昔の記憶をたどっていった。 そう、たしか世界海洋探査保安警備隊への入隊を悩んでいたときも、オリンピック代表に選ばれたもののタイムが伸びず落ち込んでいたときも。 すぐ傍にバージルのピアノがあった気がする。 この音色を聞くと心が満たされ、安らかな気分になれるのだ。

 ゴードンにとって、クラシックは退屈なものに他ならなかったが、 バージルのピアノは大好きだった。





*****





「バージル、ピアノ弾いて?」
 そうゴードンが僕に尋ねた幼い日。 毎日、誰に聴いてもらう訳でもなく、ピアノを弾き続けていたあの日。 僕は決して忘れない。


 その日、いつも明るいゴードンが、珍しくパパに叱られて落ち込んでいた。 原因はゴードンの軽はずみな一言。 みんなで夕飯の食卓を囲んでいたときだった。 この日スコットは学校で用事があり、帰りが遅くなっていて。 そこで他の家族は先に夕食を食べていたのだが、そこに一本の電話がかかってきた。 使用人も何人か居たけど、勉強だからと、電話の応対は子供の仕事だった。 いつもなら長男のスコットが出るところを、留守にしていたので次男のジョンが代わりに椅子から立ち上がりかけた。 するとゴードンが、今日は僕が出るよ、と、嬉しそうに受話器をとったのだ。 電話の相手はスコットで、きっと今から帰る、といった内容の電話だったんだと思う。 しかし、ゴードンはただそう伝えただけでは面白くないと思ったのだろう。
「大変だ!スコットが事故に巻き込まれて帰りが遅くなるって!」
 受話器を置くなり、そう叫んだのだ。 もちろんそれは悪気があったわけではなく、ただ単に家族を驚かせようとして言った一言だったのだが。
 それを聞くなり、一番びっくりしたのはパパだった。 普段、僕らを叱るときでもあまり声を荒げないパパが、大声を出し、血相を変えて言った。
「何!?ゴードン、場所はどこだ??」
 思い通りの反応に、ゴードンは嬉しくなったのか、「うそだよ〜!」とニコニコ笑いながら言った。 それがパパの逆鱗に触れた。
「…ゴードン、つまらない冗談を言うのはやめろ!」
 パパは低い声でそう言うと、ゴードンの頬をぱちんと叩き、食事の途中だというのに部屋へ戻ってしまった。 パパの居なくなった食卓は異様に空気が重く、家族を明るく盛り上げようと思ったゴードンの作戦は失敗。 それどころか、家の雰囲気は最悪だった。


 重苦しい食事を終え、なんとなくラウンジには居づらかった僕は、キッチンで夕食の片付けを手伝った。 お皿をカチャカチャ洗いながら、長い間勤めていた使用人のおばさんが、パパがあんな風に血相を変えたのを見たのは初めてだったと教えてくれた。 その言葉で、それだけパパが僕らのことを大事に思ってくれている事に改めて気がつき、叱られたゴードンは気の毒だったけど、僕は嬉しくなった。

 大体片付けも済んだころ、僕は自分の服のすそが引っ張られるのを感じた。
「…?」
 何かと思ってみてみれば、そこにはいつもの明るさを失ったゴードン。 今にも泣きそうな顔で服のすそを引っ張りって言うのだ。
「バージル、ピアノ弾いて?」
…と。
 びっくりした。ゴードンの口からあんな言葉が出るなんて思っても居なかったから。 いつも僕がピアノを弾いていても、「そんなつまらないことしてないで、一緒に遊んでよ!」というゴードンなのに。 僕は夕食の片付けを終えると、ゴードンをつれてピアノのあるラウンジへ行った。

 いつもは誰かがそこに居て、わいわいとうるさいラウンジも、この日ばかりは誰も居らず、 その様子を見たゴードンはさびしそうな顔をいっそう深め、僕の手を握った。
「じゃ、弾くよ」
 僕はゴードンをピアノの傍のソファに座らせると深呼吸ひとつ、楽譜をにらみつけて演奏を始めた。 今思うとひどく荒っぽい演奏だったと思う。 それでもあの時は、どうにかゴードンを元気付けようと、そのときなりに精一杯弾いたんだ。

 夢中で弾き終わり、僕はゴードンのほうを振り返った。 ゴードンは僕の演奏を気に入ってくれただろうか?? 不安と期待の入り混じった瞳でゴードンのほうを見れば、ゴードンはすやすやと寝息を立てて眠っていた。 僕はその表情を見て…ママを思い出していた。




 ママは世界的に有名なピアニストだった。 パパと結婚してからはプロとして舞台に立つことはなくなり、僕はプロのころのママを知らないけど、 ピアニストとしてはかなり有名で、クラシックファン以外にも沢山のファンがいたと聞いた。 一度だけ、ママが舞台でピアノを弾いているところをTVで見た。 そのママは、優雅にピアノを弾き、聴衆はママに圧倒されていた。 それでも…、ママの表情に憂いが混じっていたのは覚えている。 たくさんの聴衆の前で、自分を表現することができる…それは、芸術家にしてみれば、幸せこの上ないことなんだろうと思う。 それなのに…。 TVの中のママは笑っていたけど、僕にはどうしても寂しそうに見えた。

 プロの舞台を降りたママは、その後もピアノを弾き続けたが、それは耳の肥えた聴衆の前ではなく、 小さく、幼かった僕たちの前でだった。 ママは僕たちが眠れないとき、落ち込んでいるとき、励ますように時折ピアノを弾いて聞かせてくれた。 ゴードンは覚えていないかもしれないけど、僕たちに元気がないとき、いつもママが弾いてくれた曲、それが「夢」だった。

 それはママが死ぬ少し前のこと…。あの日、ママは1人でピアノを弾いていた。 その音色はラウンジから家全体に広がり、僕たち兄弟5人は誰が呼んだわけでもないのに、まるでその音楽に引き寄せられるように ピアノの前のソファに集まり、ちょこんと並んで座るとそれを聞いていた。 いつもやさしく世話を焼いてくれるママの生み出す心地よいメロディーは、すぐに僕たちをやさしく包み……。 ママが一曲弾き終えた後、 スコットとジョンと僕は、感激し、大きな拍手を送った。 しかしまだ幼かったゴードンとアランは…、やはりというかなんと言うか、深い眠りに誘われていて。 ママがゴードンたちのほうを見たのに気がついたスコットは、「ママ、ごめんなさい」と2人を起こそうとした。 だけどママは、「いいのよ」と、スコットが2人を起こそうとするのを止め、その2人に毛布をかけた。 その表情は、TVの、舞台の上のママの顔とはぜんぜん違って、幸せそうな、かげりのない笑顔だった。 僕は、2人が演奏中に寝てしまったことはとても失礼なことで、ママは悲しむだろうと思ったのに。 そのときの僕はママの気持ちがわからず、不思議でたまらなかった。




 「そうだったんだ…」
 僕は眠ってしまったゴードンを彼の部屋のベッドに運びながら、そうつぶやいた。 ママはピアノのテクニックを褒めてくれる人に音楽を届けたかったんじゃなくて、 ゴードンたちのように、音楽を心で聞いてくれる人に届けたかったんだ…。 おぼろげながらも、そんなことを感じたのを覚えている。 その日は、ゴードンへの感謝で胸がいっぱいだった。





*****





「どうだった?」
 バージルは、"夢"を弾き終わると、ゴードンに尋ねた。 しかし、その問いに答えはなく。 バージルはゴードンの方へ振り返ると、ひとつ小さなため息をついた。 見れば、ゴードンはソファの上であの日と同じようにすやすやと眠っている。 この曲を弾くと、ゴードンはいつも昔を懐かしむみたいに眠ってしまう。
「そろそろきちんと最後まで聴いてくれてもよさそうなものなのに」
 バージルはそう呟きながらも優しい表情で、いつまでも変わらないゴードンに毛布をかけた。

 ゴードンがこの曲を聴いて眠ってしまうのは今は亡き母の優しさを思い出すからなのだろうか。

 バージルは昔からゴードンのこの表情が好きだった。 この顔を見ると、バージルは自分の音楽に自信が持てるのだ。 だから、バージルはプロとして舞台に立つことよりも、こうしてピアノを弾くことを選んだ。 バージルは周りからはもったいない、と散々言われてきたが、コンクールでの優勝も、名声も、それは彼には何の興味もないこと。 バージルにしてみれば1万人の聴衆の歓声よりも、ゴードンの寝息のほうが価値あるものだった。 音楽は、テクニックを競うものでも、有名になる為の道具でもない。


「ありがとう」
 バージルはゴードンに一言そうつぶやくと、再びピアノを弾き始めるのだ。
さっきまでは漠然とラウンジに満ちていたバージルの音色が、今度はゴードンのために紡がれる。

 まるで、母親が子供をあやすように…
 これは僕の仕事なのだから、と。



  END----


あとがき
 ピアノネタ、ずっと書きたかったんです。 最近、ようやくピアノ曲の良さがわかってきた私ですが。 クラシックって、興味ない人にはほんとにつまらないですよね! ゴードン君も然りで、バージルがいくらプロ級だからといっても寝ちゃうと思うわけですよ! だけど、バージルはそんなゴードンを怒るどころか、毛布をかけてやるくらい寛容なんじゃないかな、とも思ったわけで。

 ということで、この文章は「ピアノを聴いている最中に寝てしまったゴードンに毛布をかけてやるバージル」を書きたかっただけなんです…。 長いものを読ませてしまってすみません(汗)。 長い上に読みにくいし判りづらいし。 いちおう、「三人称」→「ゴードン一人称」→「三人称」→「バージル一人称」→「三人称」のつもりで書いてみました。 本来ならどれかに統一して書いたほうがわかりやすいとは思うのですが…(^^;)。 過去の過去まで出てくるし。 ぎゃーっす。 次は簡潔に書きます。よ、たぶん(弱気)


 BGMにも使った「夢」。 本当は「トロイメライ」でもよかったのですが、どうにもハーメルンっぽいので「夢」にしました。 この曲、個人的に好きです。 作られた背景とか、作者さんについてよく調べてないので「こういう曲なんだ」って確信は持てないけど、 優しい旋律の中にも厳しさを含んでるようで好きです。 あぁ、バージルに弾いてもらいたい〜っ(馬鹿)


 文中で、私のプロに対する間違った見解がつらつら書いてありますが、物語の進行上ああいう描写にしただけで、 プロが悪いとか思ってるわけじゃありませんので(言い訳)。 もし「プロ」を目指してる皆様、もしくは「プロ」の方がご覧になって不愉快に感じたらすみません…。 「プロ」がどんなものか良くわかんないですが、きっと音楽性をぶつけ合うことのできるすばらしい世界なのだと思います。 腕を競ったり、名声を得たりする為だけに「プロ」になる人なんかいませんよね…(^^;


 さて、次回はゴードン+ジョンネタで行きます。 本当なら漫画のようなものにしたかったんだけど、画力が追いつかない…(涙)



2003/9/15 なへめろ



追伸:「夢」を弾いて必ずゴードンを眠らせてしまうバージル。 魔曲使いだ!とか突っ込むの禁止(笑)
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